自動詞は受動態にできない?他動詞との違いと例外

能動態と受動態の文を書いた英語のノートと、自動詞と受動態の記事タイトル

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「自動詞は受動態にできない」と習ったけれど、なぜなのかがピンとこない。そんなモヤモヤ、ありますよね。

結論から言うと、受動態は「目的語を主語にした文」なので、目的語を持たない自動詞は原則として受動態にできません。ただし look after のように、前置詞とひとかたまりで受動態になる例外もあります。

この記事を読めば、自動詞と受動態の関係と、例外の見分け方が例文でつかめますよ。

目次

自動詞は受動態にできない?結論と理由

先に結論

受動態にできるのは、原則として他動詞です。受動態は能動態の目的語を主語にする形なので、もともと目的語がない自動詞は、主語にする材料がないんです。

『理由は分からないけど、とりあえず暗記している』という方も多いはずです。

ここが大事なところです。受動態の文は、能動態の文の目的語を前に出して作ります。

能動態目的語受動態
Tom broke the window.the windowThe window was broken by Tom.
Many people use this app.this appThis app is used by many people.
The accident happened.なし作れない

3つ目の happen は自動詞なので、目的語がありません。だから「事故が起こった」は、そのまま The accident happened. と言います。

  • × The accident was happened.
  • ○ The accident happened.

自動詞そのものの意味は自動詞とは?で紹介しています。

日本語の「〜された」につられやすい

自動詞の受動態で間違えやすいのは、日本語の訳に引っぱられた時です。

例えば「事故が起こった」を「事故が起こされた」のように受け身っぽく考えてしまうと、was happened と書きたくなります。

日本語× よくある誤り○ 正しい形
事故が起きたThe accident was happened.The accident happened.
電車が着いたThe train was arrived.The train arrived.
問題が起こったA problem was occurred.A problem occurred.
彼が現れたHe was appeared.He appeared.

happen・occur・arrive・appear は、どれも自動詞です。主語が自分で起こったり着いたりするので、受け身にする必要がないんですね。

他動詞の受動態はどう作る?

先に結論

他動詞の受動態は「目的語を主語にする」「be動詞+過去分詞にする」「元の主語は by の後へ(言わなくてもよい)」の3手順で作れます。

他動詞の受動態は、手順どおりに組み立てれば迷いません。

他動詞を受動態にする3ステップ
  1. 能動態の目的語を、文の先頭(主語)に出す
  2. 動詞を「be動詞+過去分詞」にする(時制は be動詞で表す)
  3. 元の主語は by +目的格にして後ろへ。分かりきっている時は省く
  • ○ They built this temple in the 8th century.(彼らはこの寺を8世紀に建てた)
  • ○ This temple was built in the 8th century.(この寺は8世紀に建てられた)

2つ目の文では、誰が建てたかが重要ではないので by them を省いています。受動態は、こうした場面でよく使われます。

疑問文・否定文・助動詞つきの受動態

受動態の疑問文や否定文は、be動詞の文と同じ作り方です。助動詞がある時は「助動詞+be+過去分詞」になります。

形例文和訳
疑問文Was this window broken by the wind?この窓は風で割れたの?
否定文English is not spoken here.ここでは英語は話されていない。
助動詞つきThis room can be used by anyone.この部屋は誰でも使える。

speak は「英語を話す」の意味では他動詞なので、English is spoken のように受動態にできます。

目的語が2つある文の受動態

give や tell のように目的語を2つとる他動詞は、どちらの目的語を主語にするかで受動態が2通り作れます。

  • ○ I was given a present by my aunt.(おばからプレゼントをもらった)
  • ○ A present was given to me by my aunt.(プレゼントがおばから私に贈られた)

「物」を主語にした時は、人の前に to を付けるのが基本です。

受動態にできる・できない・しにくいの判定表

先に結論

受動態にできるかどうかは「他動詞」「自動詞」「自動詞+前置詞」「状態を表す他動詞」の4つに分けて考えると判断しやすくなります。

「他動詞ならできる、自動詞ならできない」だけだと、例外で迷ってしまいますよね。

そこで、4つのタイプに分けて判定表にしてみました。

タイプ受動態例文
他動詞(動作)できるThe letter was written by her.
自動詞できない× He was arrived. ○ He arrived.
自動詞+前置詞(ひとかたまり)できることがあるThe baby was looked after by her aunt.
状態を表す他動詞しにくい× A car is had by him. ○ He has a car.
受動態にできる・できない・しにくいを他動詞、自動詞、自動詞+前置詞、状態を表す他動詞の4タイプで判定した図解
受動態にする前のチェック
  • 動詞の直後に、前置詞なしの名詞(目的語)があるか
  • 前置詞がある時、動詞と前置詞で1つの意味になっているか
  • 動詞が「持っている・似ている」のような状態を表していないか

自動詞と他動詞の違いを表で確認したい方は自動詞と他動詞の違いも見てみてください。

例外:自動詞+前置詞が受動態になる場合

先に結論

look after(〜の世話をする)や laugh at(〜を笑う)のように、自動詞と前置詞がひとかたまりで他動詞のように働く時は、受動態になることがあります。前置詞は過去分詞の後ろに残します。

『自動詞は受動態にできないはずなのに、教科書に was laughed at があった』と混乱した方もいるかもしれませんね。

実は、こうした言い方は「自動詞+前置詞」を1つの他動詞のように扱っているんです。

能動態受動態
Her aunt looked after the baby.The baby was looked after by her aunt.
Everyone laughed at him.He was laughed at by everyone.
A stranger spoke to me.I was spoken to by a stranger.
They put off the meeting.The meeting was put off.
よくある失敗

受動態にした時、前置詞を落としてしまうミスがよくあります。× He was laughed by everyone. ではなく、○ He was laughed at by everyone. と at を残します。at と by が並ぶのは正しい形です。

最後の put off は「延期する」という意味の句動詞です。句動詞と受動態の関係は句動詞は自動詞?他動詞?で詳しく紹介しています。

どんな「自動詞+前置詞」でもできるわけではない

前置詞が付けば何でも受動態にできる、というわけではありません。

目安になるのは、前置詞の後ろの名詞が「動作の影響を受けているか」です。世話をされる、笑われる、話しかけられるのように、主語が何かをされた感じが出る時は受動態が自然になります。

一方で、I arrived at the station. の the station は、着く場所を表しているだけです。受動態にすると不自然になるので、能動態のまま使いましょう。

状態を表す他動詞は受動態にしにくい

先に結論

have(持っている)、resemble(似ている)、cost(費用がかかる)、fit(サイズが合う)のように状態を表す他動詞は、目的語があっても受動態にしにくい動詞です。

『他動詞なら全部受動態にできると思っていた』という方も多いですよね。

ただ、状態を表す他動詞は、目的語が「何かをされた」わけではありません。そのため受動態にすると不自然になります。

他動詞○ 能動態× 受動態にしにくい形
haveHe has a big house.A big house is had by him.
resembleShe resembles her mother.Her mother is resembled by her.
fitThis jacket fits me.I am fitted by this jacket.
costThe ticket cost a lot.A lot was cost by the ticket.
自動詞と他動詞を受動態にできるかどうかを見分ける流れの図解

文型と動詞の関係をもう少し知りたい方は自動詞と文型もあわせて読んでみてください。

受動態は、書く問題だけでなく会話でもよく使います。判定表で形が分かったら、声に出して言ってみると身につきやすくなります。

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自動詞と受動態の知恵袋によくある相談

先に結論

知恵袋で特によく読まれているのは「なぜ自動詞は受動態にできないのか」という相談です。ほかに「sit on the bench は受動態にできる?」「Video will play は受動態?」という質問も見られます。

多く読まれている相談を要約して、答えていきますね。

「なぜ自動詞は受動態にできないのに、他動詞はできるの?」

とても多く読まれている、根本の疑問です。

答えは、受動態が「目的語を主語にした文」だからです。他動詞には目的語があるので主語に回せますが、自動詞には回す目的語がありません。

例えば、こんなイメージです。

「Tom opened the box.」の the box は、受動態で「The box was opened.」の主語になれます。

「Tom smiled.」には目的語がないので、受動態にしようがないんですね。

「I sit on the bench. は The bench was sat on. にできる?」

sit on が「自動詞+前置詞」なら受動態にできるのでは、という相談です。

sit on the bench の the bench は、座る場所を表しているだけです。look after のように「何かをされた」感じが出にくいので、受動態にすると不自然になりやすく、学習英文法では能動態のまま使うのが基本です。

「Video will play は受動態じゃないの?」

動画の画面で見る Video will play after the ad. は「動画が再生される」と訳せるのに、be動詞+過去分詞がない、という質問です。

これは play を自動詞として使った能動態です。The door opened.(ドアが開いた)と同じように、自動詞で「物が〜する」と言っているんですね。

日本語で「される」と訳せても、英語では受動態とは限らないんです。

ほかの基本動詞の使い方は基本動詞の判定表でも確認できます。

よくある質問

自動詞は受動態にできないのはなぜですか?

受動態は能動態の目的語を主語にする形だからです。自動詞には目的語がないので、原則として受動態にできません。

他動詞はすべて受動態にできますか?

多くはできますが、have(持っている)や resemble(似ている)のように状態を表す他動詞は、受動態にしにくい動詞です。

自動詞でも受動態になることはありますか?

look after や laugh at のように、自動詞と前置詞がひとかたまりで他動詞のように働く時は受動態になることがあります。He was laughed at. のように前置詞を残します。

happen を受動態にしてもいいですか?

happen は自動詞なので受動態にはしません。The accident happened. のように能動態で使います。

まとめ

この記事の要点
  • 受動態は目的語を主語にした文なので、自動詞は原則として受動態にできない
  • 他動詞の受動態は「目的語を主語に」「be動詞+過去分詞に」「by+元の主語」の順で作る
  • look after や laugh at のような自動詞+前置詞は、受動態になることがある
  • have・resemble など状態を表す他動詞は受動態にしにくい
  • 「される」と訳せても、自動詞の能動態のことがある
自動詞ガイド

自動詞ガイド 編集部

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