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get up や look for、give up のような句動詞を見て、『これって自動詞?他動詞?』と手が止まったことはありませんか。元の動詞が自動詞なのに、句動詞になると目的語をとるものもあって、混乱しますよね。
結論から言うと、句動詞の自動詞・他動詞は「句動詞全体で目的語をとるかどうか」で考えます。元の動詞1語だけを見て決めなくて大丈夫です。
この記事を読むと、句動詞を3つのタイプに分けて、目的語の位置まで迷わず置けるようになります。
句動詞の自動詞・他動詞は「かたまり全体」で決まる
句動詞は「動詞+副詞」「動詞+前置詞」で1つの意味になる表現です。後ろに目的語がなければ自動詞のように、目的語をとれば他動詞のように働きます。
句動詞(phrasal verbs)は、2〜3語で1つの動詞のように使われる表現です。
まずは、自動詞的なものと他動詞的なものを並べてみましょう。
| 句動詞 | 意味 | 例文 | 働き |
|---|---|---|---|
| get up | 起きる | I get up early.(私は早く起きる。) | 自動詞的 |
| show up | 現れる | He didn’t show up.(彼は来なかった。) | 自動詞的 |
| break down | 故障する | The car broke down.(車が故障した。) | 自動詞的 |
| look for | 〜を探す | I’m looking for my key.(鍵を探している。) | 他動詞的 |
| give up | 〜をやめる | She gave up smoking.(彼女はたばこをやめた。) | 他動詞的 |
| look after | 〜の世話をする | I look after my sister.(妹の世話をしている。) | 他動詞的 |
look for の look は、ふつうは自動詞ですよね。
それでも look for 全体では「〜を探す」という意味になり、後ろに目的語をとります。だから、句動詞では「全体として目的語をとるか」を見るほうが分かりやすいんです。
元の動詞が自動詞か他動詞かは気にしなくていい?
まったく無関係ではありません。
look, get, come などは単独では主に自動詞で、そこに前置詞がつくと後ろに名詞を置けるようになります。一方で、turn や pick のような他動詞が副詞と組むタイプもあります。
ただ、文を書く時や問題を解く時に大事なのは「その句動詞が後ろに目的語をとるか」と「目的語をどこに置くか」の2つです。元の動詞の分類は、理解の助けくらいに考えておきましょう。
自動詞そのものの意味から確認したい方は、自動詞とは?意味と他動詞との違いを例文でやさしく解説を先に読むと入りやすいです。
句動詞を3タイプに分けると語順で迷わない
『自動詞か他動詞かは分かったけど、目的語をどこに置けばいいの?』という方も多いはずです。
句動詞でいちばん間違えやすいのは、実は語順です。そこで、この記事では目的語の置き方で3つのタイプに分けて考えます。
| タイプ | 目的語 | 語順の例 | 主な句動詞 |
|---|---|---|---|
| A 目的語なし | とらない | The plane took off. | get up, show up, break down, give in, grow up |
| B 間に挟める | とる(動詞+副詞) | turn on the light/turn the light on/turn it on | turn on, turn off, pick up, put off, give up, put on |
| C 前置詞の後ろだけ | とる(動詞+前置詞) | look for the key/look for it | look for, look after, look at, listen to, wait for |

タイプA 目的語なし(自動詞的)
後ろに目的語を置かず、それだけで意味が完結するタイプです。
- I usually get up at six.(ふだんは6時に起きる。)
- She finally gave in.(彼女はついに折れた。)
- My computer broke down again.(パソコンがまた故障した。)
- I grew up in a small town.(私は小さな町で育った。)
後ろに場所や時を表す語句がついても、目的語ではないのでタイプAのままです。
タイプB 目的語を間に挟める(動詞+副詞)
ここが句動詞のいちばんの山場です。
on, off, up, down, away などが副詞として使われている句動詞は、目的語を後ろにも間にも置けます。
- ○Turn on the light./○Turn the light on.(電気をつけて。)
- ○Please pick up the box./○Please pick the box up.(その箱を持ち上げてください。)
- ○They put off the meeting./○They put the meeting off.(彼らは会議を延期した。)
目的語が it や them のような代名詞の時は、間に置く形になります。×Turn on it. ではなく ○Turn it on. と言います。名詞なら両方の語順ができるのに、代名詞だけは間に置く。ここで間違える方がとても多いんです。
タイプC 前置詞の後ろだけ(動詞+前置詞)
for, at, after, to, with などの前置詞を使う句動詞は、目的語を前置詞の後ろにしか置けません。
- ○I’m looking for it./×I’m looking it for.(それを探している。)
- ○She looks after the children.(彼女は子どもたちの世話をしている。)
- ○Listen to me.(私の話を聞いて。)
前置詞は「名詞の前に置く語」なので、目的語が代名詞でも前置詞の後ろに来ます。タイプBとは反対の動きをするわけです。
副詞か前置詞かを見分けるには
『up や over は、副詞なのか前置詞なのか見た目で分からない』と感じますよね。
ここが分かると、タイプBとタイプCの見分けがぐっと楽になります。

- 目的語を it にして、間に置けるか試す(turn it on なら副詞)
- 後ろに何もなくても意味が通るか考える(Come in. の in は副詞)
- for, at, after, to, with は前置詞として使う語なのでタイプC
- 迷ったら辞書の例文の語順をそのまま使う
同じ語でも副詞にも前置詞にもなる
up, down, over, in などは、句動詞によって副詞にも前置詞にもなります。
| 句動詞 | 意味 | 代名詞の位置 | タイプ |
|---|---|---|---|
| pick up | 〜を拾う・迎えに行く | pick it up | B(副詞) |
| look up | (辞書で)〜を調べる | look it up | B(副詞) |
| get over | 〜を乗り越える | get over it | C(前置詞) |
| look into | 〜を調べる | look into it | C(前置詞) |
| talk over | 〜について話し合う | talk it over | B(副詞) |
get over と talk over は、どちらも over を使っていますよね。
それでも get over は over が前置詞として働くので get over it、talk over は over が副詞として働くので talk it over になります。見た目が同じ語でも、句動詞ごとに語順を覚えておくのが近道です。
3語の句動詞は最後の前置詞の後ろ
look forward to, put up with, come up with のような3語の句動詞もあります。
- I’m looking forward to the trip.(旅行を楽しみにしている。)
- I can’t put up with the noise.(その騒音には我慢できない。)
- She came up with a good idea.(彼女はいい案を思いついた。)
3語の句動詞は、最後が前置詞なので目的語はその後ろです。タイプCの仲間として覚えておけば大丈夫です。
句動詞の受動態と、自動詞にも他動詞にもなる句動詞
句動詞と自動詞・他動詞の話で、もう1つ大事なのが受動態です。
目的語をとる句動詞は、全体で1つの他動詞のように受動態になれるものがあります。句動詞の部分は崩さず、そのままの形で be+過去分詞にします。
- They put off the meeting./The meeting was put off.(会議は延期された。)
- Her aunt looked after the baby./The baby was looked after by her aunt.(赤ちゃんはおばに世話をしてもらった。)
- Everyone laughed at him./He was laughed at.(彼は笑われた。)
それぞれ、左が能動態、右が受動態の文です。
He was laughed at. のように、文の最後に前置詞が残るのがポイントです。
laugh は自動詞ですが、laugh at がひとかたまりで他動詞のように働くので受動態になれます。受動態の例外をもっと見たい方は、自動詞は受動態にできない?他動詞との違いと例外で解説しています。
同じ句動詞が自動詞にも他動詞にもなる
句動詞の中には、目的語があるかどうかで意味が変わるものもあります。
| 句動詞 | 自動詞的な使い方 | 他動詞的な使い方 |
|---|---|---|
| take off | The plane took off.(飛行機が離陸した。) | Take off your shoes.(靴を脱いで。) |
| give up | Don’t give up.(あきらめないで。) | He gave up the plan.(彼は計画をあきらめた。) |
| wake up | I woke up late.(寝坊した。) | Please wake me up.(私を起こして。) |
wake me up は、目的語が代名詞なので間に置いていますよね。
こうした句動詞は「自動詞か他動詞か」を1つに決めるより、目的語がある時の形とない時の形を、例文でセットにしておくのがおすすめです。
句動詞の分け方は、教材によって「自動詞+前置詞」「他動詞+副詞」など4つや5つに分けて説明されることもあります。分け方が違っても、目的語をどこに置くかの結論は同じです。この記事では、使う時に迷いやすい語順で分けています。
句動詞は、文字で覚えるより口に出して言ったほうが語順が体に入ります。turn it on, look for it のような短いかたまりを、実際の会話で使ってみるのがいちばんの練習です。
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よくある相談:句動詞の自動詞・他動詞
ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている句動詞の悩みから、よく読まれているものを要約して紹介します。
相談1 句動詞は4パターンで「他動詞+前置詞」はないと聞いたけど本当?
句動詞は「自動詞+前置詞」「自動詞+副詞」「自動詞+副詞+前置詞」「他動詞+副詞」の4パターンで、他動詞+前置詞はないと聞いた、という相談です。この中でも特に多く読まれていた質問でした。
そう説明されることはよくあります。
これは「前置詞と結びつくのは目的語をとらない動詞が多い」という見方からの分類です。ただ、分類の名前を覚えるより、語順で整理したほうが実際の英文では使いやすいです。
- 自動詞+副詞(get up)は、この記事のタイプA
- 他動詞+副詞(turn on)は、タイプB(目的語を間に挟める)
- 自動詞+前置詞(look for)は、タイプC(前置詞の後ろだけ)
- 自動詞+副詞+前置詞(look forward to)も、最後の前置詞の後ろに目的語を置く
相談2 「乗り越える」の get over はなぜ get it over にしないの?
「乗り越える」の意味の get over で、目的語 it を間に入れてはいけないのはなぜか、という相談です。
理由は、この get over の over が前置詞として働いているからです。
前置詞の後ろに目的語を置くので、○get over it になります。turn it on のように間に挟めるのは、on が副詞として働くタイプBだけなんです。
相談3 句動詞と「自動詞+前置詞」はどう区別するの?
get over(〜を克服する)のような句動詞と、ただの「自動詞+前置詞」の区別がつかない、という相談です。
実は、はっきり線を引けないことも多いです。
1つの目安は、意味が足し算で分かるかどうかです。go to the park は go と to の意味をそのまま足した表現ですが、get over(乗り越える)は2語で新しい意味になっています。どちらで考えても、前置詞の後ろに目的語を置く語順は同じなので、語順さえ合っていれば困ることはありません。
前置詞とセットで覚えたい自動詞は、他動詞と間違えやすい自動詞|前置詞とセットで覚える動詞にまとめています。
よくある質問
句動詞は自動詞ですか?他動詞ですか?
句動詞全体で目的語をとるかどうかで決まります。get up のように目的語をとらないものは自動詞的、look for のように目的語をとるものは他動詞的に働きます。
turn on it はなぜ間違いなのですか?
turn on の on は副詞として働くので、目的語が代名詞の時は間に置いて turn it on と言うのが基本です。名詞なら turn on the light と turn the light on のどちらも使えます。
look for it を look it for にできないのはなぜですか?
look for の for は前置詞なので、目的語は前置詞の後ろに置きます。前置詞を使う句動詞は、代名詞でも名詞でも前置詞の後ろです。
句動詞も受動態にできますか?
目的語をとる句動詞の中には、全体で1つの他動詞のように受動態になれるものがあります。The meeting was put off. や He was laughed at. がその例です。
まとめ
句動詞の自動詞・他動詞は、元の動詞1語ではなく、句動詞全体で目的語をとるかどうかで考えます。
目的語の位置は、タイプA(目的語なし)・タイプB(間に挟める)・タイプC(前置詞の後ろだけ)の3つで整理すると迷いにくくなります。
- 句動詞は全体で目的語をとるかどうかで自動詞的か他動詞的かが決まる
- 動詞+副詞のタイプは目的語を間に挟める(代名詞なら turn it on)
- 動詞+前置詞のタイプは目的語を前置詞の後ろに置く(look for it)
- get over と talk over のように同じ語でも語順が違うことがある
- 目的語をとる句動詞は受動態になれるものがある





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