日本語の自動詞と他動詞|「開く・開ける」で分かる違いと見分け方

ノートと窓・スイッチのイラストカードが置かれた机と、日本語の自動詞と他動詞の違いを伝える記事タイトル

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「ドアが開く」と「ドアを開ける」、どっちも同じ場面なのに何が違うの?と、ふと引っかかったことはありませんか。

結論から言うと、日本語の自動詞と他動詞は「が」と「を」で見分けるのがいちばん簡単です。物がひとりでに変わるなら自動詞、誰かが物に手を加えるなら他動詞なんです。

この記事を読めば、「開く・開ける」の違いから、迷いやすい例外、「ている・てある」の使い分けまで一気に分かります。

目次

日本語の自動詞と他動詞は何が違うの?

先に結論

自動詞は「主語そのものが動く・変わる」ことを表し、「〜が+自動詞」の形になります。他動詞は「誰かが何かに働きかける」ことを表し、「〜を+他動詞」の形になります。

『自動詞とか他動詞とか、そもそも言葉が難しい…』と感じる方も多いはずです。

言い換えると、自動詞は「自分で動く動詞」、他動詞は「他のものを動かす動詞」です。漢字の「自」と「他」をそのまま読めばいいんですね。

例えば、こんな2つの文を比べてみてください。

  • 電気がつく。
  • (私が)電気をつける。

上は電気が明るくなったという「出来事」だけを言っています。下は、誰かがスイッチを押したという「動作」を言っているんです。

自動詞他動詞
意味主語が自分で動く・変わる誰かが対象に働きかける
助詞の目印〜が〜を
例ドアが開くドアを開ける
例火が消える火を消す
例電気がつく電気をつける
誰がしたか言わないことが多い動作をする人がいる

自動詞と他動詞の考え方そのものは、英語でも日本語でも同じです。全体像は自動詞とは?でも紹介しています。

「自動詞 日本語」で迷うのは、ほとんどがペアの動詞

日本語には、「開く・開ける」「閉まる・閉める」のように、同じ漢字で自動詞と他動詞が対(ペア)になっている動詞がたくさんあります。

この形が似ているからこそ、『どっちがどっちだっけ?』と混乱しやすいんです。

ただ、ペアの片方に「が」、もう片方に「を」をつけてみると、ほとんどの場合すぐに分かりますよ。

ペアの相手がいない動詞もある

すべての動詞にペアがあるわけではありません。

種類例
自動詞だけの動詞行く、来る、ある、いる、死ぬ
他動詞だけの動詞読む、食べる、書く

「行く」に対応する他動詞はありませんし、「読む」に対応する自動詞もありません。こうした動詞は、ペアで覚える必要がないぶん、迷いにくいはずです。

「開く」と「開ける」の違いは?同じ場面で比べてみよう

先に結論

「開く(あく)」は自動詞で「窓が開く」、「開ける」は他動詞で「窓を開ける」です。開く・開けるの違いは、窓が自分で開いたように言うか、誰かが開けたと言うかの違いです。

開く・開ける違いを聞かれると、『意味は同じじゃないの?』と思いますよね。

実は、目の前で起きていることは同じでも、話し手がどこに注目しているかが違うんです。

例文で比べる

  • 風で窓が開いた。(窓が主語。自動詞)
  • 兄が窓を開けた。(兄が主語、窓が対象。他動詞)
  • 店は10時に開く。(店が主語。自動詞)
  • 店員が店のシャッターを開ける。(店員が主語。他動詞)

自動詞の文では、窓や店が「主役」です。他動詞の文では、窓を開けた「人」が主役になっていますね。

「開く」は読み方で変わるので注意

「開く」には「あく」と「ひらく」の2つの読み方があります。

よくある勘違い

「あく」と読む「開く」は自動詞です。一方、「ひらく」と読む「開く」は、自動詞にも他動詞にもなります。「花が開く」は自動詞、「本を開く」は他動詞です。

『同じ漢字なのに?』と驚く方もいるかもしれません。

例えばこんな使い分けです。

  • ドアが開く(あく)。
  • つぼみが開く(ひらく)。
  • ノートを開く(ひらく)。

読み方で迷った時は、前に「が」が来るか「を」が来るかを見ると落ち着いて判断できますよ。

自動詞と他動詞を「が・を」と「ている・てある」で並べた図解

自動詞と他動詞の日本語での見分け方は?迷った時の3ステップ

先に結論

迷ったら「を」をつけて自然に言えるかを試してみてください。言えれば他動詞、「が」のほうが自然なら自動詞です。最後に、移動の「を」だけ例外として確認します。

自動詞と他動詞の日本語の見分け方は、実はとてもシンプルです。

『いちいち考えるのは面倒…』という方でも、次の3ステップならすぐに使えます。

自動詞・他動詞の見分け方
  1. 動詞の前に「〜を」をつけて言ってみる(例: 窓を開ける)
  2. 次に「〜が」をつけて言ってみる(例: 窓が開く)
  3. 「を」が自然でも、場所を通る・離れる意味なら自動詞と考える(例: 道を歩く)

ステップ1と2:「を」と「が」を当ててみる

例えば「動く」と「動かす」で試してみましょう。

  • 机が動く。(自然)
  • 机を動く。(不自然)
  • 机を動かす。(自然)

「動く」は「が」と合うので自動詞、「動かす」は「を」と合うので他動詞です。

「変わる」と「変える」も同じです。「予定が変わる」「予定を変える」と言えるので、変わるが自動詞、変えるが他動詞ですね。

ステップ3:「道を歩く」は他動詞じゃない?

ここが大事なところです。

「道を歩く」「公園を散歩する」「家を出る」「空を飛ぶ」は、「を」がついていても自動詞とされます。

この「を」は、動作を受ける物ではなく、通っていく場所や離れる場所を表しているんです。

文「を」が表すもの動詞の種類
本を読む読まれる物(対象)他動詞
道を歩く通る場所自動詞
家を出る離れる場所(起点)自動詞
空を飛ぶ通る場所自動詞

「道」は歩かれて変化するわけではありませんよね。そう考えると、普通の「を」とは役割が違うことが分かります。

見分ける時のチェック
  • 「を」の前の言葉は、動作で何か変わる物か
  • それとも、通る場所・離れる場所か
  • 「が」をつけた形のほうが自然ではないか

形でも見当がつく:語尾のヒント

ペアの動詞は、語尾の形である程度見当をつけることもできます。

例えば「上がる・上げる」「閉まる・閉める」「決まる・決める」のように、「〜aru」で終わるほうが自動詞、「〜eru」で終わるほうが他動詞になるペアがよくあります。

語尾の形自動詞他動詞
〜aru/〜eru始まる、集まる始める、集める
〜eru/〜asu冷える、増える冷やす、増やす
〜u/〜asu乾く、動く乾かす、動かす
〜ru/〜su直る、戻る直す、戻す

ただ、「割れる(自動詞)・割る(他動詞)」のように、「〜eru」が自動詞になる組み合わせもあります。

ですから、語尾はあくまでヒントです。最後は「が」と「を」をつけて確かめてみてくださいね。

日本語のペアをまとめて覚えたい方は、日本語の自動詞・他動詞ペア一覧で形の変わり方ごとに並べています。

「〜が開いている」と「〜が開けてある」は何が違う?

先に結論

「自動詞+ている」は変化した結果の状態をそのまま言う形です。「他動詞+てある」は、誰かがわざとそうした結果の状態を言う形です。

自動詞と他動詞の違いがいちばんはっきり出るのが、この「ている・てある」なんです。

『窓が開いているも、窓が開けてあるも、窓は開いてるよね?』と思いますよね。

そのとおりで、見えている景色は同じです。違うのは、「誰かが意図してそうした」という気持ちが入るかどうかなんです。

窓と電気で並べてみる

同じ場面を4つの形で並べると、違いがひと目で分かります。

形窓の場面電気の場面伝わること
〜が+自動詞窓が開く電気がつく変化が起きる
〜を+他動詞窓を開ける電気をつける誰かが動作をする
自動詞+ている窓が開いている電気がついている今そういう状態
他動詞+てある窓が開けてある電気がつけてある誰かがわざとそうした
他動詞+ておく窓を開けておく電気をつけておく準備のためにそうする

例えば、部屋に入った時の会話で比べてみましょう。

「あれ、窓が開いているね」

「うん、換気のために開けてあるんだ」

1つ目は見たままの状態を言っています。2つ目は「わざと開けた」という理由まで伝えているんですね。

「開けておく」は準備のサイン

「他動詞+ておく」は、あとのために前もってそうする時に使います。

「お客さんが来るから、窓を開けておくね」のように言うと、準備をしている感じが伝わります。

補足

「窓が開けられた」のような他動詞の受け身と、「窓が開いた」のような自動詞は、どちらも窓が主語になります。受け身は「誰かにされた」感じが残り、自動詞は出来事として言う感じになります。

「開けられた」と「開いた」はどう違う?

もう1つ、似ている形に「他動詞の受け身」があります。

  • 窓が開いた。(自動詞)
  • 窓が開けられた。(他動詞の受け身)

どちらも窓が主語ですが、受け身のほうは「誰かに開けられた」という感じが残ります。

例えば、帰宅して窓が開いていたら「あれ、窓が開けられてる」と言うと、誰かが入ったのかな、という気持ちまで伝わりますね。

なぜ日本語は自動詞と他動詞を使い分けるの?謝る場面で見る違い

先に結論

自動詞は「誰がやったか」を言わずに出来事として伝えやすく、他動詞は「誰がやったか」をはっきり伝えます。この違いは、謝る場面などで意外と大きく響きます。

実は、自動詞と他動詞の使い分けは、文法のテストだけの話ではないんです。

例えば、花瓶を落としてしまった時の言い方を比べてみてください。

  • 花瓶が割れちゃった。
  • 花瓶を割っちゃった。

上は、花瓶が割れたという出来事を伝えています。下は、自分が割ったと、自分のしたこととして伝えているんですね。

相手にどう聞こえるかが変わる

『どっちでも意味は通じるでしょ?』と思うかもしれません。

ただ、聞く側からすると印象が変わることもあります。

他動詞「割っちゃった」
  • 自分がしたことだと伝わる
  • 謝る時に誠実な印象になりやすい
  • 誰がやったかがはっきりする
自動詞「割れちゃった」
  • 出来事だけを伝える言い方
  • 謝る場面では人ごとに聞こえることも
  • 誰がやったか分からない時には便利

例えば、借りた本を汚してしまった時も同じです。

「本が汚れちゃって」より「本を汚しちゃって、ごめんね」のほうが、自分のしたこととして受け止めている気持ちが伝わりますよね。

反対に、誰かのミスをかばいたい時は、あえて自動詞で「コップが倒れちゃったね」と言うと、責める感じがやわらぎます。

もちろん、自動詞が悪いわけではありません。誰がやったか分からない時や、本当に自然に起きた時には、自動詞で言うのがぴったりです。

「棚の上の皿が地震で落ちた」のように、人の動作がない場面なら自動詞が自然ですよね。

英語の自動詞・他動詞と比べてみたい方は、英語の自動詞と他動詞も読んでみてください。

国語で自動詞と他動詞を習う時のポイント

自動詞と他動詞は、国語の文法でも、外国の人向けの日本語の授業でも出てきます。

説明の仕方は場面によって少しずつ違いますが、一般的には「〜が」と「〜を」に注目する考え方がよく使われています。

国語の問題で押さえたいこと
  • 「が」と「を」のどちらが自然かで判断する
  • ペアの動詞は形が似ているので、片方ずつ確かめる
  • 移動の「を」(道を歩く)は自動詞と考える
  • 「開く」のように読み方で変わる動詞に気をつける

日本語の自動詞と他動詞の知恵袋によくある相談

先に結論

「動く・動かすのどっちが自動詞?」「『を』があるのに自動詞って本当?」「どうやって教えればいい?」という相談がよく読まれています。

ここでは、日本語の自動詞と他動詞について、よく読まれている相談を要約して紹介しますね。

「動く・動かす・変える・変わる、自動詞はどれ?」

4つの動詞から自動詞を選ぶ、という相談です。

答えは「動く」と「変わる」が自動詞、「動かす」と「変える」が他動詞です。

「が」と「を」をつけて試すと、すぐに確かめられますよ。

動詞自然な形種類
動く車が動く自動詞
動かす車を動かす他動詞
変わる色が変わる自動詞
変える色を変える他動詞

「自動詞なのに目的語をとることってある?」

「道を歩く」のように、自動詞なのに「を」がつくのはなぜか、という相談です。

先ほど紹介したとおり、この「を」は通る場所や離れる場所を表しています。動作を受ける物(目的語)とは役割が違うんです。

『「を」があったら他動詞』と覚えていると、ここでつまずきやすいんですね。「を」の前の言葉が場所かどうかを見てみてください。

「使う」は自動詞?他動詞?

「使う」はどちらなのか、文によって変わるのか、という相談もあります。

結論から言うと、「使う」は他動詞です。「はさみを使う」「時間を使う」のように、「を」と組み合わせて使いますよね。

『でも「お金が使われる」とも言うよね?』と思った方もいるかもしれません。

これは他動詞の受け身の形です。「使う」に対応する自動詞のペアはないので、「お金が使う」とは言いません。

「外国の人に、自動詞と他動詞の区別をどう教えたらいい?」

日本語を学ぶ人に、区別の仕方をどう説明すればいいか、という相談です。

よく使われるのは、実物や絵カードで「人がする動作」と「物がひとりでに変わること」を対で見せる方法です。

例えば電気のスイッチを押して「電気をつけます」、明るくなった様子を指して「電気がつきました」と見せると、違いが目で見て分かります。

教え方や練習問題の作り方は、日本語教育での自動詞・他動詞の教え方でまとめています。

日本語の自動詞と他動詞を練習問題で確かめよう

先に結論

「が・を」の穴埋めと、動詞の選択の2種類を解くと、見分け方がしっかり身につきます。答えを見る前に、声に出して読んでみてください。

最後に、ここまでの内容を簡単な問題で確かめておきましょう。

『分かったつもりでも、問題になると迷う』という方も多いはずです。

問題1:( )に「が」か「を」を入れよう

  1. 窓( )閉まる。
  2. ドア( )閉める。
  3. 子どもたち( )集まる。
  4. 先生が資料( )集める。
  5. 毎朝、公園( )散歩する。

問題3:「ている」か「てある」で言い換えよう

  1. 誰かがエアコンを消した。今もそのままだ。言い換えると、エアコンが( )。
  2. 風で戸が開いた。今もそのままだ。言い換えると、戸が( )。
  3. 明日の会議のために、いすを並べた。言い換えると、いすが( )。

問題2:正しい動詞を選ぼう

  1. 雨で試合が(止まる・止める)。
  2. 部屋の電気が(ついて・つけて)いる。
  3. 会議の時間が(決まった・決めた)。
  4. 寒いので、窓を(閉まって・閉めて)おく。
答え

問題1は、1が、2を、3が、4を、5を(移動の「を」なので「散歩する」は自動詞)。問題2は、1止まる、2ついて、3決まった、4閉めて。

問題3の答え

1は「消してある」、2は「開いている」、3は「並べてある」です。人がわざとした結果なら「他動詞+てある」、自然に変わった結果なら「自動詞+ている」になります。

全部できた方は、もう基本はばっちりです。

間違えたところは、「が」と「を」をつけて言い直してみると、どこで迷ったかが見えてきますよ。

英語も合わせて練習したい方は、自動詞と他動詞の違いで英語の例文と比べてみるのもおすすめです。

日本語の自動詞と他動詞を見分ける3ステップの図解

よくある質問

日本語の自動詞と他動詞の違いを簡単に教えてください。

自動詞は主語そのものが動く・変わることを表し「ドアが開く」の形になります。他動詞は誰かが対象に働きかけることを表し「ドアを開ける」の形になります。

開くと開けるの違いは何ですか?

「開く(あく)」は自動詞で「窓が開く」、「開ける」は他動詞で「窓を開ける」です。誰かが開けたことを言うなら開けるを使います。

自動詞と他動詞の日本語での見分け方はありますか?

動詞の前に「を」をつけて自然なら他動詞、「が」が自然なら自動詞です。ただし「道を歩く」のように場所を表す「を」の場合は自動詞と考えます。

国語の自動詞・他動詞と英語の自動詞・他動詞は同じですか?

主語だけで完結するか、対象に働きかけるかという考え方は共通しています。ただ、日本語の訳語と英語の動詞の種類が一致しないこともあるので、英語は英語の辞書で確かめるのが安心です。

「を」がついているのに自動詞になることはありますか?

あります。「道を歩く」「家を出る」「空を飛ぶ」の「を」は、通る場所や離れる場所を表しています。動作を受ける物ではないので、こうした動詞は自動詞とされます。

「窓が開いている」と「窓が開けてある」はどう違いますか?

「開いている」は今の状態をそのまま言う形です。「開けてある」は、誰かがわざと開けた結果の状態を言う形です。

まとめ

この記事の要点
  • 自動詞は「〜が」、他動詞は「〜を」と組み合わせるのが基本
  • 開く・開けるの違いは、出来事として言うか、誰かの動作として言うか
  • 見分け方は「を」と「が」をつけて試し、移動の「を」だけ例外にする
  • 自動詞+ているは状態、他動詞+てあるは誰かがわざとした結果
  • 謝る場面では、他動詞のほうが自分のしたことだと伝わりやすい
自動詞ガイド

自動詞ガイド 編集部

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