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英文法の問題で「この他動詞の目的語はどれ?」と聞かれて、手が止まった方もいるのではないでしょうか。『他動詞って、なんとなく「〜を」がつくやつ?』くらいの理解だと、少し不安ですよね。
結論から言うと、他動詞とは「目的語を直接後ろにとる動詞」です。動詞のすぐ後ろに、前置詞なしで「〜を」「〜に」にあたる名詞を置きます。
この記事では、他動詞の意味と例、自動詞との違い、そして文の形ごとの使い方を例文で見ていきます。
他動詞とは?意味をひとことで言うと
他動詞は、目的語(動作を受ける名詞や代名詞)を直接とる動詞です。主語が自分以外の何かに働きかける動作を表します。目的語がないと「何を?」と聞き返したくなるのが、他動詞の特徴です。
他動詞とは何かを、短い例文で見てみましょう。
- I opened the window.(私は窓を開けた。)
- She bought a new bag.(彼女は新しいかばんを買った。)
- We discussed the plan.(私たちはその計画について話し合った。)
どの文も、動詞のすぐ後ろに名詞が来ていますよね。
the window, a new bag, the plan が目的語です。動詞の動作が、この名詞に向かっています。
英語では transitive verb、辞書では vt
他動詞は英語で transitive verb と言います。
多くの英和辞典では vt や〔他〕と表示されています。自動詞の vi や〔自〕と並べて覚えておくと、辞書を引いた時にすぐ見分けられます。
| 呼び方 | 英語 | 辞書の表示の例 | 目的語 |
|---|---|---|---|
| 他動詞 | transitive verb | vt/〔他〕 | 直接とる |
| 自動詞 | intransitive verb | vi/〔自〕 | とらない |
「他」は自分以外に働きかけるという意味
漢字の「他」は、自分以外のものという意味です。
主語が、自分以外のもの(目的語)に何かをする。そう考えると、他動詞という名前がすんなり入ってきます。
例えばこんな場面です。
「What did you buy?」(何を買ったの?)
「I bought some books.」(本を何冊か買ったよ。)
buy は他動詞なので、「何を」の答えになる some books を直接後ろに置いています。
他動詞の例をまとめて見る
他動詞の例を、意味のまとまりごとに並べてみました。
| まとまり | 主に他動詞として使う動詞 | 例文 |
|---|---|---|
| 手に入れる | buy, get, find | I found my key. |
| 伝える | tell, explain, answer | Please answer the question. |
| 好き・必要 | like, need, want | I need your help. |
| 作る・使う | make, use, build | She made a cake. |
| 決める・支える | choose, support, book | We booked a table. |
『こんなにたくさん覚えるの?』と思うかもしれませんが、大丈夫です。
最初は、ここにある基本動詞を「動詞+目的語」のかたまりで言えるようにするだけで十分です。もっと多くの例は英語の他動詞一覧|目的語を直接とる動詞を意味と例文でで紹介しています。
他動詞と自動詞とは?並べると違いが分かる
他動詞と自動詞とは何がどう違うのかを、似た意味の文で並べてみます。
違いはシンプルで、「動詞の直後に目的語があるかどうか」です。
- She reached the station.(彼女は駅に着いた。)
- I heard a strange sound.(変な音が聞こえた。)
- He answered my email.(彼は私のメールに返信した。)
- She arrived at the station.(彼女は駅に着いた。)
- I listened to the radio.(ラジオを聞いた。)
- He replied to my email.(彼は私のメールに返信した。)
reach と arrive は、どちらも「着く」です。
でも reach は他動詞なので the station を直接置き、arrive は自動詞なので at をはさみます。意味が近くても、形は別物なんです。
自動詞の側から理解したい方は、自動詞とは?意味と他動詞との違いを例文でやさしく解説を読んでみてください。5つの観点で並べた比較表は、自動詞と他動詞の違い|目的語の有無で分かる比較表つきにあります。
目的語は「動詞が直接つかんでいる名詞」
目的語は、動詞の動作を受ける名詞や代名詞のことです。
代名詞が目的語になる時は、me, him, her, them のような目的格の形を使います。
- I know him.(私は彼を知っている。)
- She helped me.(彼女は私を手伝ってくれた。)
I listen to music. の music は、動詞ではなく前置詞 to の目的語です。動詞が直接つかんでいる名詞だけが「動詞の目的語」で、そういう名詞をとるのが他動詞です。目的語の考え方は目的語とは?自動詞と他動詞を分けるいちばん大事なポイントでくわしく解説しています。
日本語の他動詞とは?
国語や日本語の授業で他動詞を調べている方もいますよね。
日本語の他動詞は、誰かが対象に働きかける動作を表し、「〜を+他動詞」の形で使われます。「開ける・開く」のように、自動詞と形の似たペアになっているものが多いのが特徴です。
| 他動詞(〜を) | 自動詞(〜が) |
|---|---|
| ドアを開ける | ドアが開く |
| 火を消す | 火が消える |
| 子どもを起こす | 子どもが起きる |
| 荷物を届ける | 荷物が届く |
「窓が開けてある」のように他動詞に「てある」をつけると、誰かがわざとそうした結果の状態を表せます。
日本語の考え方は英語と似ているところもあるので、両方を比べると理解が深まりますよ。
他動詞の使い方は3つの文の形で見る
ここからが、他動詞の使い方の本番です。
他動詞がとれる文の形は、大きく3つあります。SVO(第3文型)、SVOO(第4文型)、SVOC(第5文型)です。
SVO は目的語が1つ、SVOO は目的語が2つ(〜に〜を)、SVOC は目的語とそれを説明する補語がセットです。同じ動詞でも、この3つの形を行き来することがあります。
同じ動詞で3つの形を見比べる
形の違いは、同じ動詞で比べるといちばんよく分かります。
| 動詞 | SVO(〜を) | SVOO(〜に〜を) | SVOC(〜を〜にする・と呼ぶ) |
|---|---|---|---|
| make | She made a cake.(ケーキを作った) | She made me a cake.(私にケーキを作ってくれた) | The news made her happy.(その知らせで彼女はうれしくなった) |
| call | I called him.(彼に電話した) | Call me a taxi.(タクシーを呼んで) | They call him Ken.(彼をケンと呼ぶ) |
| find | I found the key.(鍵を見つけた) | He found me a seat.(私に席を見つけてくれた) | I found the book easy.(その本は簡単だと分かった) |

同じ make でも、後ろに何が来るかで意味が少しずつ変わりますよね。
これが他動詞の使い方のおもしろいところです。
SVO 目的語が1つ
いちばん基本の形です。
- I like coffee.(私はコーヒーが好きだ。)
- She plays the piano.(彼女はピアノを弾く。)
- We visited Kyoto.(私たちは京都を訪れた。)
like coffee は日本語だと「コーヒーが好き」で、「を」が出てきません。
それでも like は他動詞で、coffee が目的語です。訳の助詞と英語の形は、いつも一致するわけではないんです。
SVOO 目的語が2つ
「人に」「物を」の2つの目的語をとる形です。
- My father bought me a watch.(父は私に腕時計を買ってくれた。)
- She told us the truth.(彼女は私たちに本当のことを話した。)
SVOO の多くは、前置詞を使った SVO に言いかえられます。
| SVOO | SVO+前置詞 |
|---|---|
| He gave me a book. | He gave a book to me. |
| My father bought me a watch. | My father bought a watch for me. |
SVOC 目的語と補語がセット
目的語のあとに、その目的語を説明する語(補語)が来る形です。
The news made her happy. では、her と happy がイコールの関係になっています。「彼女がうれしい状態になった」ということですね。
- 目的語のあとに何もない、または前置詞のかたまりなら SVO
- 目的語のあとにもう1つ名詞があり「〜に〜を」なら SVOO
- 目的語のあとの語が目的語とイコールなら SVOC
- 補語には名詞(Ken)も形容詞(happy)も来る
文型の考え方は、自動詞と文型|第1文型・第2文型と完全自動詞・不完全自動詞で自動詞の側からも解説しています。
他動詞の使い方で間違えやすいところ
他動詞の意味が分かっても、実際に使う時はつまずきやすいところがあります。
よくある間違いを、×と○で並べてみます。
- ×We discussed about the problem./○We discussed the problem.
- ×She married with a doctor./○She married a doctor.
- ×I entered into the room./○I entered the room.
- ×Please explain me the rule./○Please explain the rule to me.

他動詞の後ろに前置詞をつけてしまう
いちばん多いのが、要らない前置詞をつけてしまう間違いです。
discuss(〜について話し合う)や marry(〜と結婚する)は、日本語に「について」「と」が入るので、つい about や with をつけたくなりますよね。
| 他動詞 | 日本語訳 | 正しい形 |
|---|---|---|
| discuss | 〜について話し合う | discuss the problem |
| marry | 〜と結婚する | marry a doctor |
| enter | 〜に入る | enter the room |
| reach | 〜に着く | reach the top |
| resemble | 〜に似ている | resemble her mother |
| mention | 〜について述べる | mention the plan |
ただし名詞の discussion は、a discussion about the problem のように about を使うのが自然です。
動詞か名詞かで形が変わるので、セットで覚えておきましょう。
explain は「人」を直接とらない
explain は他動詞ですが、目的語にとるのは「説明する内容」です。
「私に説明して」と言いたい時は、Please explain it to me. のように to me を後ろに置きます。×explain me とは言わないので気をつけてみてください。
句動詞は目的語の位置に注意
turn on や give up のように、動詞と副詞が組み合わさって他動詞のように働くものもあります。
- Turn on the light./Turn the light on.(電気をつけて。)どちらもOK
- Turn it on.(それをつけて。)代名詞は間に置く
- ×Turn on it.
目的語が代名詞の時は、動詞と副詞の間にはさむのが基本です。look for のような「動詞+前置詞」は、look for it のように前置詞の後ろに置きます。
他動詞は受動態にできる
他動詞のもう1つの大きな特徴が、受動態にできることです。
受動態は、目的語を主語にした形です。目的語を持っている他動詞だからこそ、作れるんです。
| 能動態 | 受動態 |
|---|---|
| Tom broke the window. | The window was broken by Tom. |
| They discussed the plan. | The plan was discussed. |
| Many people use this app. | This app is used by many people. |
自動詞は目的語がないので、原則として受動態にできません。
×The accident was happened. が間違いなのは、happen が自動詞だからです。
他動詞でも受動態にしにくい動詞
ただし、他動詞ならどれでも受動態にできるわけではありません。
have(持っている)、resemble(似ている)、cost(費用がかかる)、fit(似合う・合う)のように、状態を表す他動詞は受動態にしにくいものがあります。
- その動詞は目的語をとる他動詞か
- 目的語が、受動態の主語として自然か
- have や resemble のような状態の動詞ではないか
- 自動詞+前置詞のかたまりなら、受動態になる場合もある
受動態と自動詞・他動詞の関係は、自動詞は受動態にできない?他動詞との違いと例外でくわしく解説しています。
他動詞は、目的語まで含めた「かたまり」で口に出すと、前置詞のつけすぎも自然と減っていきます。discuss the plan や reach the station を実際の会話で何度か使ってみると、形が体に残りやすいです。
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よくある相談:他動詞の使い方で迷う声
ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている他動詞の悩みから、よく見られるものを要約して紹介します。
相談1 他動詞の後ろには、to がまったく来られない?
他動詞の後ろには to が来られないと聞いたけれど、本当か、という相談です。いちばん多く読まれていた質問でした。
『他動詞の後ろに to があったらおかしい』と覚えると、外れる場合があります。
他動詞のすぐ後ろに前置詞の to は来ませんが、次のような to は他動詞の文にもよく出てきます。
| 文 | to の正体 |
|---|---|
| I want to go abroad. | to不定詞が want の目的語 |
| She decided to study law. | to不定詞が decide の目的語 |
| He gave the ticket to me. | 目的語のあとの前置詞 |
want や decide は、to不定詞を目的語にとる他動詞です。見るのは「動詞のすぐ後ろが前置詞の to かどうか」です。
相談2 他動詞は、いつも目的語が要るとは限らない?
他動詞には目的語が必要と習ったのに、目的語がない文も見かけるのはなぜか、という相談です。
いい疑問だと思います。
I’m reading.(本を読んでいるところ。)や Let’s eat.(食べよう。)のように、read や eat は目的語なしでも使えます。
これは、辞書では自動詞としての使い方も載っている動詞だからなんです。
他動詞か自動詞かは、動詞そのものより「その文での使い方」で決まります。目的語がある文では他動詞、ない文では自動詞の使い方、と考えるとすっきりします。
相談3 他動詞の後ろには、to不定詞は置けない?
他動詞の後ろには名詞や動名詞が来て、to不定詞は置けないと知ったけれど本当か、という相談です。
これは、置ける動詞もあります。
上の相談1で見たように、want, decide などは to不定詞を目的語にとる他動詞です。一方で、enjoy や finish は動名詞(〜ing)を目的語にとります。
- I enjoy reading.(読書を楽しむ。)○ / ×I enjoy to read.
- I want to read.(読みたい。)○
どちらの形をとるかは動詞ごとに決まっているので、辞書の例文の形で確かめてみてください。
よくある質問
他動詞とは、かんたんに言うと何ですか?
目的語を直接後ろにとる動詞のことです。I opened the window. の opened のように、動詞のすぐ後ろに前置詞なしで名詞を置きます。辞書では vt や〔他〕と表示されます。
他動詞の例を教えてください。
buy, make, find, tell, explain, like, need, use, choose, discuss, marry, reach などが、主に他動詞として使う動詞です。discuss the plan のように、目的語までセットで覚えておくと使いやすくなります。
他動詞と自動詞とは、どう見分ければいいですか?
動詞のすぐ後ろを見ます。前置詞なしで名詞が直接来ていれば他動詞、何も来ないか前置詞が来ていれば自動詞の使い方です。迷った時は辞書の vt と vi の表示を確かめてみてください。
他動詞の使い方で、いちばん間違えやすいのは何ですか?
要らない前置詞をつけてしまうことです。discuss about や marry with、enter into the room のような形がよくある間違いです。日本語訳の「について」「と」「に」に引っぱられないようにしてみてください。
日本語の他動詞とは何ですか?
「ドアを開ける」「電気をつける」のように、誰かが対象に働きかける動作を表す動詞です。「〜を+他動詞」の形で使い、「ドアが開く」のような自動詞とペアになっているものが多くあります。
まとめ
他動詞とは、目的語を直接後ろにとる動詞です。
使い方は SVO・SVOO・SVOC の3つの形で見ると分かりやすく、同じ動詞でも形によって意味が少しずつ変わります。前置詞のつけすぎと、受動態にしにくい動詞にだけ気をつけておけば、ぐっと使いやすくなりますよ。
- 他動詞は目的語を直接とる動詞で、辞書では vt や〔他〕と表示される
- 自動詞との違いは、動詞の直後に前置詞なしで名詞が来るかどうか
- 使い方は SVO・SVOO・SVOC の3つの文の形で見る
- discuss や marry に about や with をつけない
- 他動詞は受動態にできるが、have や resemble のような例外もある





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